
ルネ王の紋章入り装飾「ルネ王の時禱書」より
ルネ王は個人用時禱書として伝来の写本を作り替えたり、新たに制作させたりしている。この作品は最後に制作されたもの。描かれている紋章が使われたのは1453〜1466年で、月暦の余白に書き入れられている個人的記念日の最新のものが1454年の再婚、1459年にヴェネツィアから贈られた写本に見られる、面取りした頭文字がこの写本にも使われていること、などから制作時期が推定されている。
写本装飾の面でも特殊なものになっている。挿絵は聖母の時禱の扉絵として「青衣の聖母」があるだけで、一般的に挿絵が入る区画にはルネ王の紋章とさまざまな標章・標語を組み合わせた縁飾りと頭文字装飾が入れられている。
右図は「青衣の聖母」と向かい合う朝課冒頭のページ。頭文字Dは「枯れた切り株から再生する(renaitre)緑の枝」の標章、内部にはルネが設立した三日月騎士団の腕飾りの上に王冠を載せた紋章。
縁飾りには左上下に柄付きの網籠が置かれ、炎があがっている。網籠には標語tant(それほどに、多く)。
世界美術大全集10 ゴシック2 1450年代

写本装飾の面でも特殊なものになっている。挿絵は聖母の時禱の扉絵として「青衣の聖母」があるだけで、一般的に挿絵が入る区画にはルネ王の紋章とさまざまな標章・標語を組み合わせた縁飾りと頭文字装飾が入れられている。
右図は「青衣の聖母」と向かい合う朝課冒頭のページ。頭文字Dは「枯れた切り株から再生する(renaitre)緑の枝」の標章、内部にはルネが設立した三日月騎士団の腕飾りの上に王冠を載せた紋章。
縁飾りには左上下に柄付きの網籠が置かれ、炎があがっている。網籠には標語tant(それほどに、多く)。
世界美術大全集10 ゴシック2 1450年代


ルネ王の画家(バルテルミー・デック?)
1459〜66年 写本装飾 28.1×20cm(ページ全体)
パリ 国立図書館